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安さの裏にあるもの

中古車を購入する際の魅力は、なんといっても価格の安さです。新車で装備を安くしたり、オマケのようなものをつけても、中古車の価格の安さには及びもしません。
ですがここでよく考えてもらいたいのは、バイク屋は商売をしているということです。

車両を販売する際に店にとって儲けにならないことは、絶対にしないということを忘れてはいけません。
購入するバイクの相場から、極端に安価なバイクはそれなりの理由があります。
何らかの理由がないと、仕入れ価格は安くはなく、それにともなう売価も安くはならないのです。

仕入れ価格が安くなる主な理由は、そのバイクに問題がある場合です。
問題があるバイクを買取る場合は、売る側にもそれなりの交渉ができます。

何らかの問題があり修理代が掛かるバイクを買取る際には、買取相場よりも安く査定します。
これはバイクであっても、古本であっても変わりません。
買取業界というのは、そういうものなのです。

本などの場合は中身を確認することができますので、中古を購入する際には、状態を確認することができます。
ですがバイクの場合は、中身は確認することができません。

かなりバイクに詳しい人でもない限り、エンジンの中身までは外から確認することは不可能なのです。
外見は掃除やオイル漏れを拭いてしまえば、難有り車というのは非常に分かり辛いものです。

難しい判別

事故車の判別は中級者になってくると分かってくるのですが、エンジンの不調はかなりの上級者でないと分かりません。
エンジンの掛かり具合、アイドリングの安定感、空ぶかしの際の回転の上がりかたと落ち方、またその際の音など、メーカーや車種(エンジン)によって違いますので、それなりの経験が必要になってきます。
試乗できるのであれば簡単なのですが、未登録の車両もあるため出来ないほうが多いです。

このようにエンジン内部に問題が多いバイクの中古なのですが、よほどの悪徳ショップでもない限り、それは価格に表示されます。
問題があるバイクだから安く仕入れた、問題があるから早く処分したい、その結果が相場以下の価格なのです。
修理ができるショップであっても、それは変わりません。

修理をすると当然部品代が掛かりますし、工賃が掛かります。
安く仕入れたバイクにこの代金を乗せてしまうと、高いバイクとなり売れなくなってしまうのです。
プレミアがつくバイクですと、この代金を乗せても割りに合うのですが、普通のバイクですと採算がとれません。

中古車を購入する際の整備渡しというのは、新車のように完璧ではありません。
走行に支障のない程度の整備です。

極端に安価なバイクというのは、現状渡しの可能性が高く、故障はつきものだと思ってもよいでしょう。
バイク屋も商売ですので、損をすることはしない。相場よりも安いバイクは必ず理由があるということを忘れてはいけません。