事故車にも例外がある
中古車を購入する際に、事故車を100%完全に除去する方法というのは存在しません。
例えば、ロードレースで転倒し走行不能となりリタイアするとします。
ただのスリップダウンであるならば転倒車ですが、スポンジバリアやフェンスにぶつかったり、バイク同士がもつれて転倒したのであれば、公道上では事故車になります。
ですがよほどのことがない限り、修理が行われ、次のレースには参戦します。
この際市販されているバイクの事故車のようであっては、とてもではありませんが勝つことはできません。
走行に影響が無い程度ではなく、真っ直ぐに、そして限界域でも以前と同じように動いてくれないと、命に関わります。
つまりレースメカニッククラスの腕があれば、例え事故車であっても走行に支障のないバイクは作れてしまうというわけです。
基本的に歪みが少ない場合は修正、効かない素材や歪みの場合は交換を行います。
レースの世界ですと、命が掛かっていますし、勝つためにも、その費用は必要経費だと割り切ってしまうのですが、購買目的ですとそうはなりません。
悪質な業者ですと、誤魔化しもしないまま、営業トークだけで売ってしまうケースさえあります。
そのため初心者のかたは、中古車の衝動買いは絶対に避ける必要があります。
前出したレース用の車両ですが、腕の良いメカニックですと、新車と数値上の違いだけではなく、乗り心地が良くなることさえあります。
ですがそれはメカニックがお金と時間を掛けてできることであり、購買目的の中古車にそのような手間隙をかけてしまっては、売価がとんでもないことになってしまいます。
そのため市販車の事故車は、欠陥が多いことが当たり前というケースが多いのです。
目に見えない事故車
事故車では車体に影響がなくなっても、エンジンに影響がある場合があります。
修理をした際には影響がなくとも、衝撃による目に見えないダメージというものがあります。
これはどんなに優秀なメカニックであっても、すべてを洗い出すことはできません。
しばらくは影響はありませんが、時間とともに振動などにより罅割れなどが入り、手の施しようがない状況になるケースがあります。
売る側の商売法一つで、買う側は事故車に当ってしまうのです。
そのため買う側としては、事故車を扱っている店に行かないというのが最良の手です。
バイクではなく店を見る
事故車を見抜くのは、経験がないと難しいのですが、店を選ぶのは初心者でも可能です。
まず事故車がない店は、要注意です。事故は起こしていなくとも、転倒がないバイクというのはあまりありません。
それが立ちゴケなのか、それともスリップによる転倒なのか、こちらが追及しない限り応えない店は避けましょう。
良い点しかいわない店も避けましょう。
バイクはクセが強い乗り物です。良い点があれば、悪い点が必ずあります。
良い点しか言わないのは、売りたいためのセールストークなのです。
しつこい営業マンがいる店は、販売に特化した店ですので流通させ利益を得ることを目的としています。
バイクという機械に詳しい店ではありませんので、事故車が混じっていても店員が理解していないことも多いのです。